日別アーカイブ: 2019年1月28日

せっかくだから90Supraに学んでみるネタ、その2

さ、ボディ剛性について久々に考察してみたいと思います。

まずはこんな興味深いネタを見っけたのでご賞覧になってみて下さい。

https://minkara.carview.co.jp/userid/438848/blog/27461959/

全然知らない人です。

全く知らないからこそ先入観の無い評価ができるとも考えられます

車体の剛性を上げる今、最もトレンドの方法の1つがパネルボンドです。

お手軽ですし費用も比較的安いです。

本格的な車体剛性アップと言えばやはりロールバーとスポット増しです。

FDでかなりやりました。

SuperGTの車両を製作しているホンモノのトップチームレース屋さんに
バルクヘッド貫通の本格的なロールバーを溶接してもらいましたしスポットも
1万発くらい打ってもらった記憶があります。

結果、とても良くなりました。

ナニが良くなったかと言いますと車体のヨジレが無くなりましたし
段差を超えた時や激しいコーナーリングでもガタピシ感は無くなりました。

じゃ、イイじゃん ってハナシなんですけどそうカンタンでも無いんです。

運転が難しくなりました

ピーキーになりました。

わかりやすく書くと車体がスッ飛んで行くことがあります。

一度はあこがれるバルクヘッド貫通ロールバー、やってみたかったんです。

やってみなきゃわかりませんから。

車体剛性は高ければ高い方がイイって当時アドバイスしてくれたレース屋、
ご自身はFDで筑波を走ったこと無かったんでしょうね。

D1にお手伝いに行っていた時にトップシードドライバーは皆さん同じように
車体は固め過ぎるとダメって言っていたのを強く記憶しています。

HKSさんが最初にD1に参戦したS15がフルスポットフルロールバーで
当時の担当ドライバー谷口選手が、点と点をつなぐようなコーナーリングで
ピーキーでとても神経を使うとインプレッションしていた事も印象的です。

モンスター田嶋さんがパイクスピークに参戦した最初の車両についても
全く同じような考察をしていました。

谷口選手や田嶋選手ほどのトップドライバーでも車体剛性を上げ過ぎることに
後悔とは言いませんが反省と言うか次の車両に生かした経験を弊社はとても
参考にさせて頂いております。

自分が経験したバルクヘッド貫通フルロールバーで感じたドライブフィールは
間違っていなかったようですしインプレッサ乗りの人も弊社と同じような
感想をプラシーボ無しに率直に吐露している様を拝見させて頂きますと
車体剛性についてはより慎重にならざるを得ません。

誤解が生じないように確認ですが、車体剛性は高い方がイイです。

ただそのバランスも含めて効果が高い剛性アップってかなり至難のワザです。

おカネをかけて取り付けたモノって効果が絶大であって欲しいって
そりゃあ誰もが思いますしそれがプラシーボを生じさせます。

結局は自分が選択してやった事ですから否定されるのって気分が悪いです。

ただ、そんな感情論だと正当な評価からドンドン離れて行きます。

その結果、おカネをかけて乗りにくい車両を作って行っちゃうんです。

弊社が一貫してココで主張していることをシツコイですが確認させて下さい。

我々のような一般ドライバーがコントロールしやすい車両でタイヤを含め
車両の能力を100%近く引き出して結果タイムにつなげるってことです

ま、早いハナシが 運転ンまくなりましょ ってことです。

そりゃね、言うはカンタンですが実践はムズカシイですよ。

でもムズカシイからこそ達成する価値が大きいですし挑戦している人の数を
考慮すると圧倒的に達成できている人は希少です。

今やこれだけの高度ネット社会です。

アタっちゃた動画を数多くの人がアップしています。

リアが流れてそのままイン側にアタる、通称イン巻きです。

リアが流れてステアリングだけで立て直そうとして反対側にアタる
通称タコ踊りです。

残念ながらまだ初級者って断罪されてしまいます。

キャリアが長いとかタイムが出ているとかそれほど大きな意味がありません。

上手な人ってナニ乗っても速いです。

特にFRでンまい人はFFや4駆は難なく乗りこなせますが逆は成立しません

ちょっとやそっとリアが流れても適切にアクセルを入れて姿勢が安定して
立ち上がって行く、それを弊社お得意様に伝授して行っていますが
なかなか道は険しいですよ。

そんな状況の中でもできるだけ近道をするために必要なことが
乗りやすさでありピーキーで無いこと、弊社はそう考えます。

剛性アップパーツを取り付けて、なんか違うって感じたならその時こそ
一旦、純正に戻す勇気ってかなり重要です。

一度、純正に戻してみればそのパーツがアリだったのかナシだったのか、
はたまたなんも変わらんってなるのかを正当に評価できると思います。

1つの剛性アップパーツを作るときには弊社は少なくともそうやります。

ダメだったモノはもちろんお蔵入りです。

開発にかかる巨額の費用をドブに捨ててもお得意様の信頼を勝ち取るために
他の手段を弊社が知らないだけです。