月別アーカイブ: 2015年10月

WRCに学ぶネタ、その2

昨日の夕方に羽田に着いて、そのまま新幹線に乗りました。

で、今日は鈴鹿でした。

気力だけで行ってきました。

suzuka

弊社のお得意様のT井様のブレーキを検証しました。

元々、T井様は某有名ブランドのブレーキを装着済みでしたが、
弊社のブレーキシステムに交換して下さいました。

前回の某有名ブランドのブレーキを装着した時も、感動があったそうですが、
今回の弊社のブレーキシステムでは、もっと感動して下さったそうです。

踏み過ぎてもロックしないから、安心して踏んでいける

と、ひと安心の結果です。

ただ、前よりはずっとイイと言うお話でも、もっと上はあるんです。

先日のWRカーのブレーキングイメージを、できるだけ具現化したいです。

そうすれば、もっともっとアグレッシブにツッ込めると思います。

鈴鹿はコーナーの数が多いので、ブレーキの恩恵はとても大きくて、
朝の一本目で、T井様は自己ベストタイを叩き出したとのことです。

これでフツーはメデタシメデタシで終わるんでしょうが、弊社にとっては、
まだまだこれで満足するワケには行きません。

2本目の後半になって、熱を持つようになってからのフィーリングの悪化を、
どれだけ効率良く解消できるか? が、次の大きな課題です。

コレ、弊社のイメージしていた3Dのキャリパークーリングダクトです。

hyundaibrakeshroud

ツールドコルスラリーで、我々の見ている目の前で、ゼッケン7の
WRカーがクラッシュしました。

で、その場でリタイアとなってしまったんですが、1時間くらいは
その場で修復を試みていました。

とても貴重な画像です。

WRカーに付いている3Dキャリパークーリングダクト、
Ferrari の CHALLENGEと似ています。

突き詰めると、この形状なんでしょうね。

鈴鹿で、一本目が終わって、ブレーキフルードを入れ替えました。

目立った気泡は出てきませんでした。

それでもT井様は、交換後にフィーリングは良くなったとの感想です。

目には見えない細か~~い気泡はいっぱい入っているんでしょうね。

その対策のためにも、3Dダクトの仕様変更は急務です。

WRCに学ぶネタ、その1

まずはクルマ作り編です。

GoProで、走りの動画を撮影したんですが、静止画と違いまして、
編集しないとお客様が見るのにちょっとイロイロと問題があります。

VolksWagen MotorSportsのワールドラリーカー、
以下、WRカーと表記しますが、何もかもが別格でした。

現在、イロイロと取り沙汰されていますが、技術はピカイチなんですね。

あんなことやらかさなくたって、十分に技術があるのに。

今年、全部で13戦あるうちの11戦が終わりましたが11戦中10勝です。

ハナシにならないくらいの差です。

ナニがそんなに違うのか?

それを一つ一つご紹介させて頂きたいと思います。

もちろん、弊社の技術として頂戴させてもらいます。

それでなきゃ、ただの観戦ツアーになってしまいますから。

まず、一つ目はブレーキです。

トップカテゴリーであるWRカーは、レギュレーションでがんじがらめで、
車重も規定がありますし、ホイルベースやトレッドも規定があります。

だからクルマがみんな似たようなシルエットになっちゃっています。

車重も同じで、使っているブレーキも似たようなモンで、タイヤも
WRカーは、MICHELINのワンメイクでした。

それなのにブレーキングに差が出ます。

公道なので、わずか3m程度しか離れていない所で観戦することができます。

ブラインドを立ち上がって、一気にフル加速をして130~140Km/h
そのスピードレンジあたりからのフルブレーキングです。

目の前で観戦していると、差が顕著に現れますし、手に取るようにわかります。

SuperGTを、何年もお手伝いに行って気がつかなかったことが、
WRCでは、目の前でいろんな現象を確認する事ができました。

やはり、クルマはトータルバランスなんだとつくづく思い知らされた瞬間です。

弊社のブレーキキット、

キャリパーはAP Racing製

ブレーキディスクローターもAP Racing製

ディスクフローティング機構もAP Racing製です。

ここまでは、手に入れようと思ったら手に入ります。

ブレーキラインは、イギリスGoodRidge社の特注品です

パッドは、今年の夏からENDLESSさんにお世話になっております。

その他、ベルハウジングはCircuitConcept製

キャリパーサポートはCircuitConcept製

ディスクロータークーリングダクトはCircuitConcept製

3DキャリパークーリングダクトもCircuitConcept製です

当初の開発理念は、軽量、高剛性でした。

もちろん今でも踏襲されています。

特にバネ下ですから、1輪あたり15Kg近い軽量化がもたらす
ハンドリングの向上と、慣性質量の低減で更なる制動力アップ、
それは数回のテストで結果を出すことにつながりました。

今回のWRC観戦で、ブレーキングによって効率良く車速を落とす要因が、
もっとあるという事を目の当たりに教えてくれました。

もちろん、早速、開発に着手します。

とかくABS問題が話題になるZ34です。

先日のENDLESSの鈴木部長とミーティングをした時に、
パッドやキャリパーだけでは対策に限界があるというお話でした。

WRカーのテクノロジーをパクっちゃいます。

これはパクっても怒られないだろ。

WRC観戦ネタ

で、勘のイイお客様はお気づきになられたと思います。

コレです。

tourdecorsedecal

WRCはご存知ですか?

ワールドラリーチャンピオンシップの略です。

ラリーと聞きますと、ダートのイメージが強いと思います。

悪路を土煙りを上げて爆走していくイメージでしょうか?

このツールドコルスラリーは、WRCたった一つのフルターマックです。

つまり、全部舗装路です。

早い話が、世界最高レベルの峠バトルです。

フツーの峠で、ワークスが製作した世界最高レベルのワールドラリーカーを
世界最高レベルのドライバーが、カッ飛んで行きます。

公道を走るワールドラリーカーは、我々のお手本だと考えております。

トップチームの車両はわずか10数台でして、その後にGroupNの車両が
100台以上も走ります。

PorscheやFerrari、うじゃうじゃいます。

R35も、3台ほどいました。

コレ、何だろう?

jinetta

GT2とGT3、イイ絵になりますね。

gt2gt3

GT3RSを駆るこのオッサン、イイ味出しています。

dercour

ところがこの後に、このオッサンがとんでも無い走りをするんです。

エントリーリストを見てビックリ。

フランソワデルクール氏でした。

大変失礼いたしました。

往年の名ドライバーで、このツールドコルスラリーも過去に2勝しています。

車両を見学していろんな事を学びました。

走りを見学してたくさんの事に気付きました。

もちろん、弊社の開発理念にフィードバックします。

さ、帰ります。

帰って鈴鹿です。

日々是、勉強です、ネタ

朝の5時くらいから活動して、夜の11時くらいにホテルに戻ります。

なかなか更新できなくて申し訳ありません。

今回は特に、寄り道をしたのでさらにスケジュール的にキツくなりました。

イタリアから飛行機で、モノの30分くらいです。

フランス領コルシカ島です。

corcica

aircorse

遊びか~~?

いえいえ。

お勉強です。

ホントです。

何のお勉強をしに来たかと言いますと、世界最高峰レベルのクルマ作りと、
世界最高峰レベルのドライビングを、ちゃんと引き出しとして得たいんです。

お客様に弊社の製品をオススメする時に、どういう開発理念や開発思想で、
こういう製品を作っていますと言う、明確なご説明は必要だと考えます。

弊社のサスペンションキットをご提案させて頂く時に、

どうしてこのバネレートなの?

どうしてヘルパーが必要なの?

どうしてバンプラバーが必要なの?

全て大切な理由があるんです。

弊社のサスペンションキット、イイですよ~

乗り心地イイですよ~

それでは、製品はともかくとして情報発信としての送り手責任不足です。

弊社はそのように考えております。

先日、満を持してデフを販売させて頂きました。

デフは、まだ一般販売にまでは至っておりません。

弊社がツルシのデフを売っても、誰も弊社で買わないと思います。

テスト、検証がメジロ押しです。

どう言う差別化を付けているのか?

ナニが特殊なのか?

ちゃんと明確な基盤をご説明差し上げて、お客様にご納得してもらって、
お買い上げ頂く、そのスタイルは貫きたいと考えておりますから。

そのために、正解を知ることはとてもとても大事だと考えています。

こんなハズじゃ無かった

それではお客様は不憫です。

FRなんだからデフは必要っしょ

そんな程度では、お客様は弊社を訪れて下さることは無いと思います。

サーキットコンセプトの製品にして良かった

お客様がそう感じて下さらないと、それはそれで失敗だと考えております。

今回の壮大な寄り道で、学ぶ事はあまりあるほどでした。

弊社のブレーキシステム、さらに上を目指すための引き出しも追加できました。

弊社のサスペンションキット、もっと良くできる引き出しも追加できました。

弊社のデフをテスト検証しに行って、どういうイメージの動きにしたいのか?

一度に全部やることはムリです。

でも、常に、進化、熟成を続けることでよりイイものができると信じています。

そのための生きた教科書を目の当たりにするためにコルシカ島に来ました。

得るモノ、とても実りが多かったです。

詳細はまたご報告させて下さい。

さ、次の仕事です。

メールはできるだけ早く返信致します。