月別アーカイブ: 2022年9月

ATFクーラーの必要条件と十分条件について検証していますネタ、その4

オレのはATじゃねーし ( ̄ヘ ̄) y~~~~

ってお客さんだっていっぱいいると思います。

だからMTとATに共通する温度管理のハナシもしていきたいと思います。

古いハナシですがBNR32の時に初めてMTオイルクーラーと言うものを
付けたことを思い出しました。

その後、FDにも付けました。

効果はとても大きくてMTオイルの熱ダレでギアが入らなくなると言う症状は
すっかり解消できました。

じゃぁZ34は? と言いますと少なくとも2号機ではいくらサル走りを
してもMTオイルクーラーの必要性は感じたことがありません。

じゃあZ34はだいじょぶなのね、ってのはちょっと違うんです。

そもそもBNR32やFDに何でMTオイルクーラーを付けたかったって
ハナシなんですが20分30分とサル走りを続けているとMTオイルが
熱ダレしてギアが入らなくなってくるんです。

さっきも書いたか・・・・。

だから積極的にMTオイルを冷却するためにMTオイルクーラーを取り付けた
そんな経緯です。

少なくとも2号機では30分の周回を2本続けてもそんなことになった事は
ありません。

だからと言って安易にZ34はだいじょぶだよってハナシにもちょっと
ならないんですね。

コレもさっき聞いたよ ヾ(ーー;)

デフオイルの温度がガッツリ上がるのとMTオイルの温度上昇とはちょっと
様相が違うみたいです。

デフオイルの温度ががガッツリ上がるのはピニオンギアとベベルギアとの
剪断抵抗から発する熱なのは言うまでもありません。

それに対してMTオイルの温度上昇はもちろんギアから発生する熱も
ありますがいろいろデータをとっていくとエンジンの温度を拾っちゃって
いるパターンだ無視できないどころか大きな要素になっていることに
気が付きました。

ATやMTはエンジンと直結しています。

EGオイルの温度や水温が高いとそれに引っ張られてMTオイルやATFの
温度もどんどん上がって行く傾向が強いとわかりました。

そこを対策できているのといないのとでは2号機を始め多くのメンバーの
Z34V36のデータからではMTオイルの温度の最高値がナント!!
20度も変わることがあります。

だからまずはMTオイルの冷却に関する最大の律速段階がEGオイルの温度と
水温管理なんですね。

これちゃんとわかってキチンと情報発信しているショップさんっていったい
どれだけあるんだろ?

ATFクーラーの必要条件と十分条件について検証していますネタ、その3

ATフルードに限ったハナシじゃ無いんですね。

デフオイルクーラーの時もPSフルードクーラーの時も同じことを書きました。

EGオイルにはとても気を使うのにその他の油脂類は無頓着、もっと言えば
買ってから一回もPSフルードを交換したことが無い人ってほとんどです。

もうシーズン始まります。

今シーズンは今までとはちょっと、と言うかかなり様相が違います。

いろんなイベントで結果を狙いに行くメンバーも多いですし来年の5月の
初戦に向けて3秒、いや・・・・ってパターンもあります。

そのためには今シーズンの過ごし方がとても大きく影響してきます。

EGなんか壊したらもう早くも今シーズン終了です。

全く手が無いワケじゃあありませんが目標に向かって一つ一つ確実にクリアって
ロードマップは瓦解してしまいます。

だからこそ夏のシーズンオフの間にキッチリとメインテナンスを、って
チームメンバーもとても多いです。

EGはキチンとリフレッシュしました、でもデフ壊しました、AT滑りました
PS壊しました、ブレーキがもうダメです、それでは同じことの繰り返しです。

だからこそ弊社ではお客様のおクルマをお預かりして来シーズンしっかりと
ドライビングに集中できるようにサポートさせて頂いております。

で、ATのおハナシです。

ATフルードクーラーが付いているのにATが滑ってくる症例、ココんトコ
増えてきました。

原因はカンタンです。

そのATフルードクーラーだと充分に冷えていないんですね。

充分に冷えているかどうかなんて一般のお客様にはまずわかりません。

滑ってきた時に初めてわかります。

ダメだったじゃ〜〜ん

で、昨日も書きましたが漏れなく80万コースです。

特に弊社でATを強化して下さったお客様でPさん、I町さま、E本さまの
Z34が入庫中です。

せっかく強化してシフトレスポンスも良くなったATをイイ状態で長く維持する
ために弊社ではもっと攻めた冷却をご提示しています。

いつになるかわかんないですけど弊社のRZ34は9速ATです。

ATのシフトタイミングのプログラムができるようになってもっと攻めた
データを試したいので9速ATにしました。

さすがにお客さまのクルマで試すワケには行かないですからね。

PさんやI町さまのクルマだけで無くもちろん弊社のRZ34でもキチンと
データを蓄積しています。

CircuitConceptのATフルードクーラーがイチバン冷えるよ
って確証まで、もうチョイです。

ATFクーラーの必要条件と十分条件について検証していますネタ、その2

何もATに限ったハナシだけじゃ無いんですね。

そもそもATフルードの温度管理の重要性ってほとんど語られることも無い
ようですしMTオイルだって同じですね。

まずMTオイルの管理を怠るとギアが入らなくなるのなんてかなり初期症状で
いずれMT自体からワンワン鳴ってきます。

もうかなりの台数のMTがワンワン鳴っちゃっているのを見てきました。

で、その内ホントにギアが入らなくなる、と。

そうなるとMT本体交換しかありません。

幸いと言いますか日産純正MT本体はATと比較してず〜〜っと安いです。

さて、ATです。

以前にも書きましたがAT本体を新品交換すると工賃や油脂類も含めると
80万コースです。

だからこそと言っちゃあ何ですがATこそ気を配るべきと考えています。

初期の段階から弊社でATフルードクーラーをお取り付け下さったお客様の
クルマはやはり調子がイイです。

じゃあ調子が悪くなるとどうなるか? ってハナシです。

初期症状としてはギアチェンジの度に不要にEG回転が上がります。

いわゆるATが滑るってヤツです。

3年くらい前にPさんのATを強化した時にすっかり疲弊したAT内部の
クラッチプレートをご紹介したことがあります。

サーキットガンガンで11万キロだから寿命っちゃ寿命です。

ATFの温度管理が悪いとその寿命はずっと縮まります。

実際にはクラッチプレートが熱で焼きが入ってプレート同士のアタリが
悪くなるからATが滑り出すんです。

っつ〜〜ワケでATFは思いっきり冷やすのが正解です。

ココでひとつのギモンがアタマをもたげます。

ATFって何度までならOKなの?

フッフッフ       ー ̄)

もちろん弊社のお客 様にはデータをキチンと公開しています。

PさんやI町さまのクルマにATフルードクーラーと温度計を付けて後は
ガンガンに走ってもらったデータを今でも蓄積しています。

なんも対策をしていないとちょっとした山道を元気よく登って行っただけで
ATのfailsafeがかかってATが変速できなくなります。

メーカーだってコリャ危険水域ですよって教えてくれているんです。

そんなことを続けていると程なくATは滑り始めます。

一度焼きが入って反っちゃったATのクラッチプレートは自然治癒することは
絶対に無く、知識が無いショップ等に騙されて高っか〜〜いATフルードを
入れたところで症状が改善されることはありません。

つまりATフルードクーラーは絶対必要条件です。

オレのクルマにはもうATフルードクーラー付いてるよ。

コレもまたATを壊してしまう原因になることがあるんです。

ATFクーラーの必要条件と十分条件について検証していますネタ、その1

何回もココで書いてきましたがAlbertEinsteinの至言、

何かを学ぶために自分で経験する以上に良い方法は無い

まさに開発を続けてきた技術者としての弊社に深く刺さる言葉です。

あと、Einsteinの至言ではこんなのも好きです。

自分自身の目で見、自分自身の心で感じる人は、とても少ない

我々の業界でも多いて出すよ。

何でコレがイイの? って尋ねると○○さんがイイって言ってたから・・・

今でもすげぇ良く聞きますね。

弊社がそんなことやってたらタイヘンですよ。

ナニがどうイイのか? ってキチンとデータを以って推奨することが
CircuitConcept流。

さて、ハナシを戻します。

何かを学ぶために自分で経験する以上に良い方法は無い

開発をしているとほぼ毎日こんなことに直面しています。

久々に語ってみます。

ATFクーラー

サーキットガンガンのPさんやI町さまのクルマでイロイロとテストや
検証を重ねてきました。

先日の筑波の検証でまたひとつのデータが取れました。

特に2本目はピットイン無しの延々と時間いっぱいのサル走り。

I町さまも5年ぶりのブランクで1本目は手探りだったようですが2本目は
水を得たようにず~~~っと走りまくっていました。

そうなると気になるのがイロイロと温度系です。

EGオイル、水温、デフオイルはもうすっかりデータは蓄積されています。

今回はATFと温度管理について改めて語ってみようと考えています。。

聖地、筑波に想うネタ

さて、かねてからオーナーさん、つまりドライバーさんと弊社の二人三脚で
クルマを造り上げていくものと主張してきました。

やったらやりっぱなし、後は乗れない君が悪いんだってハナシ、今でも
いっぱいありますね。

とっても興味深いハナシがありましたのでまた近いうちに報告いたします。

クルマ側はもちろん弊社が責任を負います。

とは言ってもやはりエンジン、アシ、ブレーキ、デフその他全部弊社に
お任せ下さるパターンだけとは限らないのでそこは難しいです。

なかなか言いづらいですよ。

そのデフじゃダメです、そのブレーキじゃダメですって。

弊社のお客様はさすがにアシは弊社に全面的なご信頼をお寄せ下さって
おります。

アシはわかりやすいですからね。

曲がらない、粘らないはすぐにわかります。

ピーキーな特性もすぐにわかります。

おとといも最終でリアがスパっと出て、そのままコンクリートウォールに
大クラッシュって言うかなり大きな事故を見てしまいました。

筑波の本コースは他のサーキットに比較してやはりこのテのクラッシュは
多いようです。

リアが出てもゆっくり出てくれるとコントロールしやすいのでドライバーも
安心して限界を超えられます。

リアがスパっと出るようなアシだと恐怖心はよりいっそう増大してしまうので
安定してタイムにつなげることがとても難しくなります。

5年ぶりの筑波本コースを走られてI町さんのロガーデータを見ていると
いろんなことが読み取れます。

まずはおとといのベストラップ時のロガーデータです。

 

 

5秒フラット、いわゆる寸止めってヤツです。

ブレーキングは1Gにも達していませんし最高速も170Km/h弱です。

これでも5秒フラットが出ちゃったんです。

インフィールドが速かったんですけどね。

ブレーキングGだけから判断すればむしろ初級者の領域です。

ところがです。

数々の戦績を出してきた名手I町さまです。

おとといのブレーキングG最大値だけを見るとちゃんと1.3Gを叩き出せて
いるんです。

 

 

充分上級者のレベルです。

ロガーデータを見る限りではもう4秒台どころか3秒台だって見えてきます。

5年のブランクと言ってしまえばそれかもしれませんがやはり次回の最大の
課題はひとつひとつの所作を安定して刻むことですね。

そしたら必然的に・・・、です。

聖地、筑波に想うネタ

昨日の筑波本コースはとても暑かったです。

走行時は真昼の1時で33度でした。

すでに朝晩は涼しいのですが昼間はまだまだ暑いです。

それでも暑いのはあと1週間そんなカンジですかね。

それにしてもバテました。

12万キロとなったI町さまのクルマをフルリフレッシュ、EGオーバー
ホール、ATを強化そしてアシもQUANTUM化と、もうすっかり息を
吹き替えしたクルマにI町さまもとてもご満悦のご様子でした。

シーズン直前ですっかり変わったクルマをシェイクダウンを含めて各部の
チェックです。

クルマだけでなくI町さま自身も筑波本コースは5年ぶりとのことです。

やはりコースイン直後は5年のブランクは否めなかったですがそこは数々の
結果を出してきたI町さまです。

どんどん元気よく走りが変わってきました。

さてクルマの動きですがI町さまの印象は概ね満足できるとの事でしたが
それでも細かい課題点はいくつか出てきました。

データロガーを積んでエンジンの状態をチェックしましたが数値自体は良好で
コレまたもうちょっと攻めたデータでもだいじょぶだって確認もできました。

後はアシももうちょっと攻めようかと思っています。

オーナーさんと弊社が2人3脚でより良いモノに作り上げていくそれが
サーキットコンセプト流。

 

RZ34のネタを書くとどうも評判が良くないのでRZ34に乗っかってZ34のパーツだってちゃんと開発してますよってネタです、その8

まだまだ暑いですね。

台風も量産ペースです。

今日は筑波でI町さまのシェイクダウンです。

昨日ご紹介したデータロガーでまずチェックするのはセンサーの出力特性です。

特にO2センサーとA/Fセンサー右と左バンクで計4つが正常に動作していない
といくらECUのターゲットとなる数値を書き換えたところで正常ではない
フィードバックが起きてしまうようです。

つまりEGの調子が良くないってことです。

さすがに5年または10万キロを楽にオーバーしているZ34V36が多いので
エンジンチェックランプが点灯することも多くなってきました。

診断機で見てみるとそのほとんどがP403、404と言うO2センサーが
異常です。

センサーが異常なんですからもう交換するしかありませんね。

実際に交換してみるとこれまだイケんな〜〜って状態のものからもうセンサーの
中でヒーターが外れてカラカラしてるものまで様々です。

やっぱりセンサーを新品にしてチェックランプを消してデータロガーの波形を
出してみて安定した出力特性を見るとやっぱりここがケチるところじゃ無いな
って感じます。

これからそのメニューっていうのも増えてくるでしょうね。

弊社でエンジンをリフレッシュするときにはもちろんEG関係のセンサーは
全部新品にします。

RZ34のネタを書くとどうも評判が良くないのでRZ34に乗っかってZ34のパーツだってちゃんと開発してますよってネタです、その7

とても評判が良いver3に続いてver4の開発を続けていますがさすがに
この領域まで来ると一筋縄では行かないことが多いです。

A/F、点火時期は基本中の基本なんですがこれがまた難しいんです。

弊社が要求するような数値を入れても補正やフィードバックがとても強力で
戻っちゃうことが多々あります。

だからパワーも含めてまだまだ余地はあると弊社では考えています。

いくつか試してハマった結果、やはりとても詳しくなりました。

あのソフト使ってるショップさん多いだろ~~な~~~~。

でもそのソフトじゃどうあがいてもできないんですね~~~。

こんなカンタンなロガーでもできているかできていないかはすぐわかります。

 

 

例えば点火時期ひとつ取っても純正ってマップが何枚もあるんです。

そんなにいるか? ってくらいあるんです。

条件によってデータを読みに行くところが随時変わっているんです。

例えばいくつかある点火時期のマップのうちの2枚を並べてみました。

LowDetonation1 と HighDetonation1って
マップです。

 

 

LowDetonation2 と HighDetonation2
ってのもあるんです。

どういう時にドコを読みに行くかってのを把握しておかないとさらに攻めた
データはできません。

っつ~~ワケでもっとイロイロ見て取れるデータロガーの導入です。

 

 

おカネ無いのに・・・・。

お勉強しなきゃ。

日々是勉強ですよ。

でも、世界最高峰品質ってこういうことの積み重ね、繰り返しじゃなきゃ
到達できないって弊社では考えています。

2号機で完成させてまずは弊社でEGをリフレッシュさせて頂いたお客さまに
順次インストールさせて頂く予定です。

RZ34のネタを書くとどうも評判が良くないのでRZ34に乗っかってZ34のパーツだってちゃんと開発してますよってネタです、その6

ネットをイロイロ探していたら現行CIVICtypeRのエンジン、
K20Cの燃焼室側の画像を見っけました。

 

 

何でこんなモン探してたかって言うとVR30とK20Cは同じ直噴ターボ
しかも同じボアφ86です。

K20CのバルブやバルブスプリングってそのままVR30の強化品に
なっちゃうんじゃないか? って考えました。

ところがです。

さすがHONDAってトコまではいかなかったです。

バルブ傘径、特にEX側が小さい・・・・。

これだったら流用するメリットがあまり感じられないです。

しょうがない。

イチから作るか。

やっぱりテーマは800馬力のEGを作って600馬力で乗る

耐久性重視ですよ

ECUをイヂって過給圧を上げると500馬力近くまで出ることは400Rで
経験しました。

でも400馬力のEGを500馬力で乗ると・・・・・。

もう結果は明白です。

来年の今頃にバンバン出てくるんだろうな・・・・。

チューニングの経験が浅いとどうしても馬力だとか0-100Km/hの
タイムだとか最高速だとかに目が言ってしまうモンです。

で、壊した数だけ引き出しができる・・・・と。

弊社自身も同じ経験をしてきたのでココは敢えての耐久性重視です。

っつってもソコはCircuitConceptです。

800馬力のEGを作って600馬力で乗るためにはそれ相応の対策は必要で
もちろんそれ相応のパーツも必要です。

HONDAのK20C流用がイケそうじゃないのでVR30用ビッグバルブは
中国の企業を紹介してもらってイチから作るしか無いようです。

IN チタン製

EX インコネル製ナトリウム封入

さらにはバルブフェースは鏡面仕上げですね。

で、VQ37は? って言いますとNAなのでVVELを攻めたほうが
ず~~~っと効果が大きいと想っています。

RZ34のネタを書くとどうも評判が良くないのでRZ34に乗っかってZ34のパーツだってちゃんと開発してますよってネタです、その5

弊社が最も信頼を寄せている技術者とVR30のカムシャフトについて
意見交換をさせて頂きました。

 

 

先日のイベントでとある大手の問屋さんとハナシをしている時にとても
興味深いことを教えてくれました。

30年40年って歴史があるショップよりもココ10年くらいのショップが
勢いがあって楽しい、とのことでした。

弊社的に勝手に解釈させて頂くとチューニングの技術の進歩ってホントに
日進月歩でウチはず~~~っとコレで実績も出ているからってある意味
守りに入っているとこの業界の技術革新に取り残されていってしまう、
そんな印象を受けてしまいます。

カムシャフトひとつとっても264度? 272度? リフトは何ミリ?

そんなことしか語られてこなかったように感じます。

もちろん大事なことではあります。

でも、それでは語ることができない新しい技術を弊社が最も信頼を寄せている
技術者が忌憚なく伝授して下さいます。

VR30のカムシャフト、きっと海外も含め数社から販売されることでしょう。

でも今までの流れから判断してきっとこんなんを出してくるんだと想います。

 

 

弊社にとってはソコがチャンスです。

一般販売前にはそのテクノロジーをちゃんとココで公開します。

今ココで書いちゃうと・・・・・です。