日別アーカイブ: 2017年5月21日

1ランク上のリアのトラクションを目指してネタ、その2

どうもオカシイと思ったら、あっちゃこっちゃの鯖が攻撃されてるそうな。

10日前のメールがさっき届きました。

お客様、メールの返信バッくれてんな、って思ってんでしょうね。

もちろんちゃんと全て返信致します。

さて、リアの1ランク上のトラクションのおハナシです。

弊社のアプローチは工学的知見です。

それしか方法を知らないだけです。

横Gが最大かかって、そこでアクセルオンしてさらにリアが沈みます。

ハナシを単純にするために、外側のタイヤが5cm沈んで内側のタイヤが
5cm伸びると仮定します。

シツコイようですが、ハナシをカンタンにするための仮定です。

実際にはもっと複雑です。

で、左右の高低差が10cm。

リアのトレッド+α で1,800mm。

arctan(10/180)=3.179 約3.2度です。

アッパーアームの有効半径は30cm。

upper

先端が5cm変位したとすると、

arcsin(5/30)=9.59 約9.6度です。

ロワーアームの有効半径は45cm。

lower

arcsin(5/45)=6.379 約6.4度。

この差が、フルバンプ時の対地キャンバー角を生み出すんです。

そういう風に元から設計されています。

エラそうに書きましたが、Mercedesが考えた機構です。

さすがですね。

かなり前になりますが、このリアのマルチリンクの機構を発表したときに
とても興味深く文献を読んだ覚えがあります。

最後にMercedesの技術者が、

タイヤはサスペンションで喰わすんだよ

って言ってたのも痛烈に憶えています。

さ、こっからが弊社の領域です。

ロワーリンク、レバー比が45対27つまり5:3です。

これが2乗で効いてくるハナシをかなり前に図解付きで書きました。

リアの軸荷重が680Kgなので、片輪340Kg

静荷重状態でも、944Kgがこのお皿にかかる計算です。

ここからは弊社の研究成果ですので、一般公開はもうちよい先です。

最大横Gから、動荷重が計算できます。

その時に、タイヤのトレッド面が最も効率良く接地する角度を逆算します。

上でやった計算の逆をやればイイんです。

で、こでやっと適正なバネレートが算出できます。

飽くまでも理論値です。

実戦での検証は欠かせませんが、フロントは理論値が一番正しかったです。

ここからがタイヘンなんです。

シングルレートならこれでキマリなんですが、弊社が追求するのは

プログレッシブレート

ですから。