で、空気の流れ三態ですがまずカンペキな乱流は機械的にグシャグシャに
なった気流でしてマフラーとかタービンのエキゾーストが該当します。
正圧と言って大気圧よりも高い数値で流れ、内径がそのまま有効系として
計算する事ができますが、吸気に代表される負圧の気流は全くと言える程
挙動が違うので、同じようなアプローチではイイ結果に結びつきません。
負圧の層流を語る上で避けて通れないのが境界層剥離です。
難しい事は今回はなるべく避けてわかりやすい表現に努めます。
飛行機のハネの周りの空気の流れを可視化した画像をもう5年以上前に
アップした事があります。
画像探しときます。
コレって層流を闇雲に追求してきた人にとっては大きな打撃です。
つまりハネの近傍を空気が流れないんです。
弊社のエアロドアミラーを作った時もキチンと考慮されています。
車体からちょっと離れたところを空気が通るので純正を含めほとんどの
ドアミラーが思いっきり抵抗ブツになっちゃっているのを見ていると
空力を考えられていないんだな〜って感じてしまいます。
リアウイングなんてもっと顕著です。
弊社的にはフロントのリップスポイラーも同じです。
え〜ソコやる〜??
空気のチカラはタダです。
しかも壊れないし。
積極的に利用しないのはもったいないんですがやはり正しい使い方をしないと
せっかくの機能も効果が充分に発揮できないどころかむしろマ〜イです。
層流と関係のある部品を開発する時には境界層剥離について必ず考慮しないと
ヘタすりゃ純正以下って性能になってしまうことがかなり見受けられます。
書くとまた怒られますがそんな製品は残念ながら数多く流通しています。
特に吸気は排気よりもず~~っと難しく、考慮しなくてはならない事象も
排気とは比較にならないほど多いんです。
例えばこんなハナシ。
Z34のVQはΦ60の吸気が2個もあるから充分だよ、RB26だって
シングルの吸気で400馬力ラクショーなんだからさ
ワタシ流体力学なんて全くわかりません
って間接的に公表しちゃっているのと同じですがご本人は気がつかない。
正圧のΦ60と負圧のΦ60では流量としての能力に大きな差があります。
吸気つまり負圧のΦ60は有効内径がずっと小さくなります。
そもそもボアが95.5でストロークが86mmの1気筒あたりだと
4.775X4.775XπX8.6=616cc
片バンク3気筒なので616X3=1,848cc
7,200rpmの時には1分間に3,600回爆発します。つまり1秒間で
1,848X60=110,880ccの吸入空気が必要です。
内径がΦ60だったとしても断面積は3X3Xπ=28.27cm2
110,880÷28.27=3,922cmつまり約40mです。
1秒間に40mつまり秒速40mの空気が吸入されます。
時速に直せば144Km/hです。
その時の負圧を考慮してデータ上では有効内径が60%あたりです。
Φ60の60%はΦ36。
奇しくもverNISMOのマフラー径と一致します。
やはりメーカーは莫大な開発費をかけているだけあって大きく外しません。
しかし大きく外さないだけであって細かいところはツッコミところ満載です。