日別アーカイブ: 2018年10月26日

シーズン本格始動で今シーズンは改めてトラクションについて考察してみるネタ、その9

前回の練習会では弊社お得意様の車両6台と991GT3の走りを観察して
弊社ならではの次のステージを具現化しようと試みています。

どうしても静的な状態で車両をセットするしか方法が無いんですが、
動的な状態を仮想することは絶対に必要です。

実際にこんな状態で走っているのってとても良く整備された高速道路を
定速で巡航している時なくらいですから。

roll1

トラクションを語る前に、タイヤの接地についてもう1ランク上の制御を
実現するための仮説を立ててそれに向けて試作も作りました。

アシをセットする上で車高やキャンバーは頻繁に語られますが、それだけでは
不十分だと言うことを991GT3を見ていて思い知らされます。

車高はそれなりに低いですがそれはPORSCHEと言うメーカーが
ホンキで作ったセットですからソコだけマネしてもしょうがありません。

パンパンハネるワケでもなく実にしなやかなロードホールディング性能を
外から観察していてもとても良くわかります。

どのくらいのロール量が適正で、その時のタイヤの接地状態は割とカンタンに
計算できるんですが、その状態に持って行くことは至難の業です。

roll2

それでもいろんなテスト検証を重ねてきて引き出しは蓄積されています。

次回の練習会では弊社お得意様の車両に組み込む予定の部品をまずは
机上で検証しています。

いきなり991GT3と同程度のロール剛性はムリでしょうから、まずは
現在の弊社のアシとGT3の中間あたりを狙ってみます。

ロール量からアームの角度を算出してタイヤの対地キャンバー角を計算して
ソコに合わせてイロイロと仕込んで行きます。

今までもずーっとそうやってきました。

仮説に基づいた理論的なアプローチが弊社の得意とするところですが、
リクツ通りに行くとは限らないんですね。

あ〜〜しまった なんてことは極めて日常です。

それも大事なんですね。

その失敗があるからこその次の成功があるんです。

いつもココで書いています。

1発でキマることなんかありません。

で、今シーズンの目標である1ランク上のトラクションがについてですが、
イロイロと書いてきましたがやはりとても重要なリアのスプリングです。

弊社は高レートのスプリングをしなやかに動かす技術は会得してあります。

何回も書きましたが高レートのスプリングをシングルで使うとしなやかに
ストロークさせることはムリどころかトラクションがかかるワケでも無いし
乗り心地は悪くなる一方です。

弊社が現在リアに採用しているスプリングはプログレッシブレートです。

初期では沈みこませて、あるロール領域からは踏ん張ってくれます。

コレはコレでイイんではないかと思っていましたが、やはりそこは
サーキットコンセプトらしく ナニか上があるハズだ の企業精神で
スプリングレートを弊社の現在のテクノロジーで再検討しています。

やはり997GT3の動きを超えられないまでもなるべく近づけたいです。

近づけたい じゃありませんね。

結果が出るまでやり倒します。