日別アーカイブ: 2018年5月16日

1ランク上のデータ管理ネタ

弊社が特に車高に神経質になる理由を久々に語ってみます。

リアのロアアームって、取り付け位置からハブ取り付け部ナックルまで
45cm。

lowerlink

アッパーアームは31cm。

upperlink

メーカーは莫大な開発費をかけてこの数値を算出したんだと思います。

そもそもリアのマルチリンクってMercedesのパテントでした。

もう切れちゃったから世界中でパクってんでしょうけど。

この差がナニを意味するのかをできるだけわかりやすく解説してみます。

アッパーアームとロワーアームって、こんなカンジでオフセットして
車体側に取り付けられています。

armangle1

コーナリング中に外側のタイヤが5cmストロークしたとします。

armangle

アッパーアームはarcsin(5/31)=9.28

ロワーアームはarcsin(5/45)=6.38

2.9度の差が出ます。

これがキャンバーになります。

armangle

ポイントは、元々のキャンバーを0でスタートして2.9度付きます。

実際には車体のロール量によって車体側のアーム付け根部も
角度がつきますので、キャンバーはもっと付きます。

これをMercedesは考え出したんですね。

今となってはフツーですけど、30年以上も前に製品化したワケです。

車高を下げると、この計算が狂います。

どう狂うのかはをいをい解説していきます。

ハイグリップタイヤじゃなくてもある程度のタイムをお得意様が出せるように
このアームの角度と対地キャンバー角を弊社が綿密に管理することには、

なんとなく車高を下げてみる

では到達できない領域を目指しているからに他なりません。

計算通りに行くとは限りません。

そんなに甘くないですからね。

ただ、何の裏付けもなくテキトーになんとなく、ではかなりの確率で
失敗しているか遠回りをしているように思えてしまいます。

いつもココで書かせて頂いておりますが、弊社は他社さんが
やらないようなことをやり続けないと誰も訪れてくれません。

サスペンションでタイヤを喰わせる

Mercedesのその魂を思いっきりパクらせて頂いております。

一つのパーツをお客様がお買い上げになるときに、そのパフォーマンスを
当然ご期待するワケです。

最大限の効果を発揮できるように、ソフト面でのサポートや表に出ない
企業努力って伝わることがほとんどありません。

やりたいこと、試したいことってまだまだあります。

一つのことを実践するのに、キチンとした工学的理論の裏付け、
それがCircuitConcept流です。