日別アーカイブ: 2016年8月15日

Z34軽量高剛性ダイアグブレースバーネタ、その6

金属材料の強度を示す一つの指標に降伏応力というのがあります。

弱い力を金属に与えて放すと、元に戻ろうとします。

それを弾性変形と言います。

もっと強い力を加えると、金属が、もうムリ、って言ってヒン曲がります。

その限界値を降伏応力と言いまして、JISでキチンと公開されています。

単位はMpaです。

5052H3    260
6061T6    310
2017T4    425
7075T6    570

64チタン      830
Grade1     170
Grade2     275

降伏応力だけで金属は語られないのですが、一つの目安としては重要です。

中国製やロシア製の材料には、混ぜモノが多いので降伏応力の数値自体が
ずっと低くなることがありました。

安いチタンが割れるワケです。

価格は64チタンがブッチ切りで高いです。

さて、もう一つ重要な項目があります。

重さです。

チタンがブッチ切りで軽いんじゃないの (・・;)?

いえいえいえいえ。

現実にはチタン製品は軽いモノが多いです。

実際には、アルミ合金の比重が2.6~2.7に対して、チタン合金の比重は
4.5~4.6なんです。

つまり、全く同じモノを作るとチタン系の製品の方が重くなります。

しかも、ずっと高いし。

じゃあ何で現実にチタン製品は軽いの? ってハナシです。

それは、強度があることを前提に薄肉で作るからです。

チタンマフラーなんか、0.8~1mm程度の肉厚です。

そりゃあステンで作っても軽くなります。

強度があることが前提なので、強度がないチタン合金で作ると・・・・です。

だから、弊社がチタン合金で製品を作るときには必ず64チタンを使います。

今回のダイアグブレースバーも、64チタンも視野に入っていましたが、
イロイロと試行錯誤を繰り返していきますと、軽量高剛性の点だけでなく
コストという点、つまり費用対効果からアルミ合金系でイイんではないかと。

かなり凝りに凝った構造になっておりますので、64チタンで作ると、
かなり高額になってしまいます。

同程度の強度、同程度の軽さで、価格はずっと抑えられるならば
64チタンよりアルミ合金系でリリースした方が、お客様にとって
手に入れやすいと思います。

お客様にとっては、世界最高峰品質をご納得できる価格で、しかも
カッコ良ければそれで充分だと考えております。

あとは納期か・・・・。