日別アーカイブ: 2016年5月24日

Z34,V36アジャスタブルピロアッパーアームネタ、その1

ところで、ここの部分ですね。

piroupperarm

こんな真円ってワケではありません。

armpiroouter1

工業製品ですから。

もとからそんなに真円度を追求したら、コストはウナギ上りです。

わかりやすくデフォルメしました。

armpiroouter2

コレをIllustratorで作るのがタイヘンだったんです。

正確なボアゲージを作って計測してみるとこうなります。

armpiroouter3

つまり、内径の最小値しか計測できないことになります。

早いハナシが、イチバン出っ張ったところを計測することになります。

その計測値を基に、ピロのアウターレースを正確に作った所で
完成した製品は、ユルユルです。

おとといアップしたJIS規格の寸法公差の表、もちろん業界標準です。

ところがです。

その公差にもいくつかあるのが表から読み取れます。

弊社がロアアームのピロブッシュをテストしたときには、3種類の
はめあい公差を試してみました。

ピロのハナシを書くときには必ず書きますが、はめあい公差をキツくすると
確実にピロの動きが悪くなります。

せっかくゴムブッシュの復元力から解放されたはずのスムーズな動きも
キツキツのピロが摺動抵抗を持っちゃって、悪さをしてしまいます。

それが乗り心地を悪くする最大の原因です。

弊社の製品が、常に仕様変更と言う名の熟成を重ね続けているには、
工業製品には付きものの個体差との戦いです。

大量生産をしないのは、一つ一つ計測をしてからそれに合わせて
インナーレースもアウターレースも3種類くらいの公差で作ります。

経験が豊富で、歴史があるショップさんやメーカーさんに言わせれば、

そんな必要ネェよ

って、一蹴されるかも知れません。

必要があるのか無いのか?

を語る前に、まずプロトタイプを数種類作ってイチバン良い所を探ります。

それが弊社の存在意義ですから。

その積み重ねが、昨日のK動様のようなフィードバックとなって
弊社に帰ってくると信じています。