日別アーカイブ: 2019年8月19日

吉野屋さんの牛重で想うネタ、その2

Y様がお感じになったことって至極尤もなハナシだと弊社には思えます。

ともかくステアリング操作は重いしちょっとしたワダチや路面の段差でも
常に修正が必要で運転していてとても神経を使います。

ショップ担当者さんによるとステア操作が重くなったのはタイヤの接地が
良くなったからで、ステア修正が必要なのはフルピロ化で純正の鈍感さが
無くなったからって説明を受けたそうです。

ほぉ〜〜〜〜。

乗り心地が悪いのは運動性を追求するとある程度はしょうがないってことで
以前よりも曲がりにくくなったって相談したらY様の乗り方が悪いって
言われたとのことです。

この手のハナシ、今までもかなりありましたね。

S永様、I田様、N山様、M田様、T中様、I沢様、K藤様、N野様
ちょっと思い出しただけでも次から次へと回顧してしまいます。

牛重と何のカンケ〜があるのか?ってハナシです。

スペックだか列挙するとものスゴいですよ。

某高級車高長

某有名ブレーキキット

ナックルまで手が入ったフルピロ

こんなに売ってんだってほど補強パーツ山盛りテンコ盛り

まだありますよ。

でも出来上がった車両に乗ってみると・・・・・・・です。

何回もココで書いていますが純正というのは良くも悪くもある程度バランスが
取られていましてエラいことにはならないようになっています。

良い意味で言えば乗りやすいし万人向け。

悪い意味で言えばスポーツカーとしての味付けが生ヌルい。

コレまたシツコくて申しわけ無いキモチでいっぱいですが、弊社が自社製品を
開発する時に必ず斟酌することが 律速段階 費用対効果そしてバランスです。

今回のY様の車両は律速段階を誤ってトータルバランスを思いっきり崩した
典型として弊社の引き出しにしたいと考えております。

ダウンフォースが全く効かないどころかフロントが浮いてくるバンパーと
リアウイングのせいで高速域がフラフラしてとても怖いのでとりあえずは
弊社にいっぱいある純正バンパーに戻してリアウイングは取り去ります。

キチンとしたアシのセットが出ていないのに空力でごまかすことはできないし
速度域で特性が変わるのでコレまた乗りにくくなります。

エアロパーツをナメ過ぎです。

フルピロもいったん純正の新品アームに戻します。

フルピロがダメだって言ってるんじゃ無いですよ

律速段階を間違えているだけです。

レース車両じゃ無いんだから車体各部にゴムブッシュが多用されています。

一箇所強化すれば強化されていない所の変位がより大きくなります。

アシのセットがキチンと出ていない所にフルピロを投入するとこうなるって
貴重な負の引き出しが蓄積できました。

決して良くは無い純正のアシでもバランスはそれなりに取れています。

パーツをひとつ取ってもバランスを崩す方向に行ってしまえばそれだけで
純正よりも乗りにくくなってしまう事象を数多く経験してきました。

吉野家さんの牛重のおハナシです。

完成の域に達している牛丼の肉だけを高級にしても味が良くなるとは限らない、
個人的な感想ですがむしろスタンダードな牛丼のバランスの方が美味しいって
感じてしまうのは稀有な事では無いような気がします。

多くのお客様の車両を手がけさせていただいてイロイロなことを経験できて
学ぶことができます。

その経験を弊社の貴重な引き出しとしてお客様にフィードバックしていく、
書くとカンタンですがそれはそれはタイヘンです。