で、ホントに久々の開発ネタです。
Z34,V36のピロアーム、もう数社から出ています。
スーパーオートバックス神戸さんのイベントでお客様が教えて下さいました。
既にZ34にピロアームをご装着されているお客様がいらっしゃって、
不満爆発な点をイロイロと教えて下さいました。
ピロアームに限らず、いろんな情報を教えて下さいました。
そうか~~、やっぱりアレはダメなんだ~~
とか、トランク内で水が沸騰しちゃってエラい目に遭ったハナシとか。
イイ物を作るのは、それはそれは大変なんです。
ところで、弊社もピロアームはたくさん経験があるので、ダメな製品の
原因と傾向はだいぶわかります。
ダメだった例は、
1.安っすいピロ
2.小さいピロ
3.精度が悪い
です。
安いピロが良いワケ無いのは、ご説明の必要は無いと思います。
さらに、小さいピロよりも、入る限りできるだけ大きいピロの方が
耐荷重や耐久性と言う点で有利です。
で、高くて大きいピロは入荷しております。
そこで、精度の追求です。
純正のゴムブッシュを外してみますと、こうなります。
さて、内径です。
これがですね、個体差があるんです。
現在、手元に3セット6本のフロントロワーアームがあります。
1/10ミリは寸法差があります。
実際にはもっとあるかもしれません。
さらにモンダイなのが、ちゃんとした真円とは程遠いんです。
つまり、穴がイビツです。
外したゴムブッシュ、一番小さい所で45.684mm。
一番大きい所で46.332mm。
徹底的に精度を追求するなら、50.000mmでボーリングするのが
一番イイに決まっていますが、コストがドンって上がります。
で、アームの個体差はあるモンだ、と決めてかかって個体差に合わせます。
正確に計測するには、ちゃんとしたボアゲージが必要だと思います。
でも、ちゃんとしたボアゲージ、すんごい高いです。
そこにおカネをかけなくても、実はテマをかけると何とかなるんです。
こんなボアゲージを真鍮で作りました。
45.9mm 46.0mm 46.1mm 46.2mm
の段が付いた円柱を1本。
45.95mm 46.05mm 46.15mm
の段が付いた円柱を1本の2種類です。
マイクロメーターで計測してみますと、45.9mmのところは、
45.902mmでした。
なかなかの精度です。
コイツで純正のアームの内径とテーパー度を、割と正確に計測できます。
そこから、圧入交差を考慮したピロのアウターレースを正確に作ります。
で、実際にアームに圧入してみますと、ちよっと内径は小さくなります。
そのままピロを圧入すると、動きがシブくなりますし、ピロの耐久性にも
影響が出やすくなってしまいます。
圧入交差をどのくらい取ると、内径にどのくらい影響が出るのか?
それも1個1個、実証しなければならないと考えております。