調律と言う名のチューニングネタ、アシ回り編その2

リアのロワ-アームのおハナシです。

ピロ化することよりも先にやるべきことがあると感じる部品があります。

弊社のサスペンションキット、どんどん進化させています。

3年くらい前にGTドライバーの青木選手が雑誌の企画で、弊社の1号機を
富士でインプレッションして下さったことがあります。

乗りやすさ、特に弊社のリアの動きに感心して下さいました。

富士でとても速い有名な方が、弊社お得意様の車両に乗って下さって、
インプレッションを頂戴したことがあるそうです。

やはり

リアはとてもイイ

とのご感想とお聞きしております。

こういう書き方をすると、

じゃ、フロントはダメなんじゃネェの?

って、心証を与えてしまいますね。

お客様とお会いして、じっくりとお話しをさせて頂きますと、
お客様がメモを持ってきまして、

◯月△日のネタなんですケド・・・・

と言うことが、ちょくちょくあります。

ちゃんと伝わっていない証拠ですね。

弊社のサスペンションキット、リアは今のところ仕込みが少ないです。

スプリングもBilsteinの標準装備のモノを使っています。

もちろんこれにはちゃんと理由があってのことです。

それなのにリアに高い評価を頂戴する理由、実はフロントなんです。

まだまだネタはいっぱいあるんです。

おカネがかかることなので、費用対効果を弊社で充分に検証してから
お客様にご呈示させて頂きたいと考えております。

リアをピロ化する前に、まずスプリングシートの精度を追求します。

ここでもいろんなアイデアを盛り込みます。

まずは、リアのメインスプリング、内径2.25インチを採用しています。

理由はただ一つ、

軽いから

です。

フロントは2.25インチが入らないので、2.5インチを採用しています。

2.25インチのスプリングにすると、スプリングのアッパーシートも
ロワーシートも小さく作れるので、トータルではもっと軽くなります。

さてと、ナニが調律という名のチューニングなのか? と言いますと、

コイツです。

lowerarm

一般販売されているZ34用のスプリングロワーシートなんですが、
ガタが、ざっと2cm以上もあります。

このスプリングロワーシートが、アームの中で2cm以上も動くんです。

Bilsteinのスプリングはそこそこ精度が出ていまして、
装着後に動いちゃうことが無いようにデキています。

スプリングのロワーシートが動いちゃうとナニがマズいの?

それは、レバー比が変わるからです。

外側に動けばスプリングが硬くなったのと同じ効果ですし、
内側に動けば柔らかくなったのと同じです。

ストロークバランスをミリ単位で追求したり、ゴムブッシュをピロ化して
これまたミリ単位の動きを追求しても、レバー比がセンチ単位で動けば、
正確な評価って、できなくなってしまうと弊社は考えました。

だからここのロワーシートもイチから作ります。

多くの製品が鋳物の中で、やはり弊社は削りで作ります。

図面がタイヘンですが、できあがった製品の精度は、やはり削りモノには
適わないと思います。