甘く見てはイケナイ温度管理ネタ、その1

コレ、90,000キロオーバーのS森様のZ34のEGをバラして
各部の点検をしていたらオイルパンがこんなんなっていました。

oilpan

このまんまの状態でスペシャリストに見てもらいましたら、

EGオイルの乳化

との回答でした。

直接的な原因は水が回ったそうです。

本来ならば回っちゃいけません。

じゃ何で水が回っちゃったか?

その原因を探るために、スペシャリストはヘッドガスケットを送るようにと
弊社に指示をしました。

で、回答が来ました。

予想通りガスケットが抜けている

Z34のエンジンを何十機って組み上げる程の経験は弊社にはまだ無いので、
スペシャリストとイロイロとケーススタディをしてみました。

どうもオーバーヒート気味らしい。

オーバーヒートしてアルミヘッドがゆがんでガスケットが抜けたとの見解。

で、水が回ったとのことです。

なぜ、ほぼ純正のZ34がオーバーヒート? を検証しなければなりません。

S森様の車両は、verNISMO初期型で純正バンパーです。

で、EGオイルクーラーは他社さんのが付いています。

以前はサーキットは年に2,3回で、最近になって弊社の練習会に
ご参加下さるようになりましたが、EGオイル温度は高めでして、
10月の袖ヶ浦の時には、125度くらいになっていました。

水温計は付いていませんか、純正のバンパー、特にverNISMOは
ラジエターに風があたりにくい構造なので、水温も高めと推測できます。

水温だって油温だって適正値がありますが、キチンとできたレース車両では
無いので、そんなに厳格な温度管理ってできません。

な~んとなく 油温チョイ高め で何年も経過した結果のようです。

今回発覚したときにはまだ軽微な状態でしたが、このまま進行すると
もっと水が回って、いわゆるウォーターハンマーってヤツを起こします。

そうなるとEGは全損になりますね。

EG単体で80万オーバーなので、脱着工賃や油脂類を含めて、
100万オーバーの出費となる公算が大きかったです。

S森様、ある意味かなりラッキーです。

定期的にサーキットの弊社練習会にご参加下さって、10万キロのお得意様
何名かいらっしゃいます。

EGオイル

MTオイル

ATフルード

デフオイル

PSフルード

キチンと管理された車両は状態もイイです。

経験上、相対的にオーバークールの方がまだイイと思います。