500馬力への階段ネタ、その11

記憶に新しい2015年1月9日のネタですが、同じことをもう一回書いても

「なんだよ~~~、それ聞いたよ~~~」

に、なってしまいますから、開発理念から紹介させてください。

420RSRキットのクランクシャフトです。

420crankshaft

思えば20年近く前、知る人ぞ知る当時の有名人のT田君のシルビアに
乗せてもらった時の、あの衝撃から始まりました。

長い構想だな~~~。

今でこそ800馬力のシルビアなんて珍しくないですが、当時は衝撃でした。

アルミブロックとなったSRエンジンは、ブロック剛性が高くありません。

高いブーストをかけるために鍛造ピストンを入れても、ブロックがよじれます。

で、JUNはスリーブを開発しました。

純正ピストンがダメ、で、鍛造ピントン。

純正コンロッドがダメ、で、クロモリ鍛造削りだしコンロッド。

純正ブロックが剛性不足、で、スリーブ。

もともと200馬力程度のエンジンが、どんどん馬力が上がっていくんです。

馬力ももちろんですが、耐久性も重要です。

スゲ~速くても、三こすり半みたいなエンジンじゃぁ・・・。

ま~~お下品な。

で、弊社もイロイロと経験をさせて頂いた中で、クランクシャフトの差に、
驚きを感じざるを得なかったです。

クロモリ鍛造総削り出しフルカウンタークランクシャフト。

これも名前長ぇな~~。

イイものってきっと名前が長いんだ。

世界に出て、イロイロとお取引をさせて頂いていますと、同じことを
やっているようなヤツ、必ずいるモンです。

アメリカのC社。

イギリスのF社。

ドイツのM社。

弊社の要求を満たしてくれるところにまでは行きませんでした。

アメリカだって、INDYやNASCARのトップチームを手がける
エンジンコンストラクターだったら、できないハナシではありません。

でも、最低10本からです。

そんなおカネ、あるわ~~~けがありません。

で、JUNの社長を説得すること1年以上、設計、製作で1年。

計2年の構想で、やっと具現化致しました。

ゴッツいクロモリ鋼の固まりから、CNCマシニングセンターで、
この形状になるまで、チロチロ削っていくんです。

時間と労力とコスト、測り知れません。

カウンターウエイト形状を良く観察してみてください。

先っぽが鋭くなっていますね。

これは、オイルパンに溜まっているオイルを超高速で攪拌するときに、
その抵抗を下げるための形状です。

これをやってくれるのは、JUNだけです。

V6のクランクシャフトって、バランス取りがとても難しいんだそうです。

Z33のエンジンで、JUNは世界有数の経験がありますから。

弊社がハイパワーと同じくらい、いやそれ以上に耐久性を重視します。

純正のクランクシャフトは高速回転でよじれてきます。

材質による剛性不足だっり、そこまでのバランスも取っていないでしょうから。

弊社の390RS、クラッチやフライホイールを装着した状態で、
ダイナミックバランスを取ります。

それによって、高回転時、高負荷時のメタルへの攻撃性が低減できます。

弊社の390RS、全車、元気に動いています。

当然420RSRも同等以上の耐久性が要求されます。

もちろん、ただクランクシャフトをポン付けするよりも、他の周辺機器も
バランスの観点からとても重要な課題です。

1.フルφ70チタンマフラー

2.6連スロットル大容量インダクションボックス、エアクリーナーボックス

3.VVELコントローラ

も、試作はできています。

一般販売の前に、耐久試験をしなくてはなりません。

今年は富士や鈴鹿でいっぱい試します。

きっと、仕様変更も何回も必要になってくるでしょう。

過去の経験上、純正のVQ37と弊社390RSとの差よりも、
390RSと420RSRの差の方がより大きくなります。

ストリートだと、かなり持て余し気味のパワーと吹け上がりになると思います。

同時にバランスの取れた車体も必須開発項目です。