オリンピックイヤーの2020年、きっと景気がもっと上向くんではないかと、
いろんな分野で新製品や新サービスがアナウンスされています。
ここにきて、R36、FDの後継、新型スープラなど次々に新情報を
見かけるようになりました。
ハイブリッドを含めて、環境問題対策は時代の潮流ですから仕方ありません。
一つだけ声を大にして主張したいことがあります。
R35はコーナリング中やブレーキング中にいろんな電気仕掛けをしてきます。
初めて富士で乗ったときには、とても大きな違和感を感じました。
MAZDAも似たようなことをやっています。
コーナリング中に電子スロットルに介入して前荷重にするんだそうです。
で、曲がりやすさを演出するそうな。
まず、コイツを見て下さい。
何回見てもトリハダもんです。
人間がマシンをねじ伏せる究極のカタチです。
ハナシが変わるようですが、広島にあるLEG Motorsportsの
倉迫社長、イベントで1年に数回しかお会いする機会がありません。
先日の神戸でも、いろいろと意見交換をさせて頂きました。
倉迫社長はご自身でも優れたドライビングテクニックをお持ちで、さらには
セッティング能力にも長けていらっしゃる優れたエンジニアです。
最近のお客様は安易な道を選択する傾向にあると、お嘆きでした。
曲がらないのはアンダーを出しているだけのハナシ、とのことです。
もちろん真摯にドライビングスキルと向き合って精進するお客様も多いです。
ステアリング切れば思いとおりに曲がり、ブレーキをドカンと踏んでも
ギューって止まる、出口でガバっと踏んでも真っ直ぐ立ち上がる。
こうやって理想を書くとカンタンですね。
ローダーでサーキットまで行くような車両ならともかく、街乗りを考慮して
バランスや乗り心地や扱いやすさまで考えると、とてもイバラの道です。
以前に、弊社で練習会を2回ほど富士でやりました。
山野選手を講師に招いて、クルマを思い通りに曲げると言うことを
カラダで直に感じてもらいました。
フツーにステアリングを切っても思いとおりになんか曲がりません。
それを山野選手はいともカンタンに曲げてしまいます。
コース上に散水車で水をバシャバシャ撒いて、そのウェットのコース上で
不用意にアクセルを空ければ、カンタンにスピンしてしまいます。
それを山野選手は、丁寧にリア荷重でアクセルコントロールとステアリングの
小修正だけでキレイに立ち上がっていきます。
山野選手はプロドライバーですから、同じ事をできるワケではありません。
残念ながらクラッシュしてしまったZ34,V36の弊社のお客様も
何名かいらっしゃいます。
クラッシュには必ず原因があります。
プロだってミスもしますし、クラッシュもします。
ただ、意識として、ブレーキの踏み方、荷重のかけ方、ヨーの発生の仕方、
身につけておいて欲しいと考えるのは、時代に逆行しているのだろうか?
こういう一連の技術を、全てクルマ側がやってしまうような風潮があります。
日産も車種によっては、自動ブレーキが全グレード標準装備があります。
自動運転もどんどん加速して行っています。
PorscheのCayennGTSに乗って衝撃を受けたハナシを
以前にご紹介したことがあります。
2tを超えるSUVで、パッケージングやチューニングだけであれだけの
パフォーマンスを達成することに成功しています。
スポーツドライビングに魅力を感じてお客様はスポーツカーをお買い上げです。
何でもかんでも電気仕掛けではなく、機構的に基本に忠実なスポーツカーを
追求する道を残して欲しいです。
機械や電子機器が高性能に発達しても、最終的には操るのは人間です。
ドライビングなんて、一朝一夕に上達するモンではありません。
でも、なんもしないとずっとそのままです。
少~~しずつでも、問題意識を持って1ランク上のスキルを試してみよう、
身につけてみようと思っても、肝心の車両ががんじがらめの電気仕掛けで
ナニも受け入れてくれないようでは、絶望しか無いと思います。