終わりのないアシの開発ネタ

トータルバランス

弊社がここで何回も何回も提唱してきました。

ちまたでイイと言われている部品をお取り付けになっても、その結果
コレ、そんなにイイか? と言うこと、弊社も含めて多々あるとは思います。

ホントにイイのかそれともやっぱりそうでなかったのか? と言うハナシより
バランスを崩してしまった結果、想定していたようなパフォーマンスよりも
低い結果になってしまった、そんなことってとても頻繁に遭遇します。

特にハンドリングと言うトータルバランス、アシやブレーキやデフ、さらに
タイヤも含めた総合パフォーマンスって数値に表すことができないので
客観的な評価をお客様がすることって、まずムリです。

良くありがちなアシはA社、ブレーキはB社、デフはC社、もっと書くと
車体の剛性アップパーツはD社で軽量化は自己流。

一つ一つを数値に表わせて優れた製品だったとしても出来上がったクルマは
投資に見合っただけのパフォーマンスを発揮できなかった時。

ある時点からお客様は気がつきます。

なんか違うことやっている・・・・・。

昨日、お客様のR35を緊急現車確認をさせて頂いてつくづく思いました。

お預かりできるのはGW明けになりますが、ど~するかの方向性は
キチンと決めておかないと、モータースポーツの裾野をまたお一人
消してしまうことになってしまいます。

もう何名もいらっしゃいましたね。

Z34やR35に限らずに本当の真価を味わうことなくどんどん悪い方向で
チューニングなんかするんじゃなかった・・・って高級外車に行くパターン。

Z34V36にハナシを戻してみます。

以前にバンプタッチタイミングアジャストカラーについて語ったことが
ありますが、やはりこんな問い合わせを多く頂戴しました。

ドコにつけるんですか?

何ミリですか?

それだけ売って下さい

弊社の開発日記を長く熟読して下さるお客様ならおわかりだと思いますが、
それだけ付けたところで・・・・ってハナシなんです。

そもそも弊社の富士の練習会で気がつきました。

弊社のアシをお取り付け下さっているお得意様たちが全開で1コーナーを
ツッ込んで行って曲がるブレーキを活用してターンインをしていきます。

だんだんレベルが上がってくると縦Gも横Gも上がってきます。

ロール量もピッチング量も多くなっていきます。

するとストロークの絶対量やストロークバランスが変化していきます。

そんなことはお得意様たちにはわからないことですが開発している弊社は
外から見ていると判別できるんです。

その対策としてなんとなくスプリングレートを上げてみようとか、なんとなく
減衰を上げてみようとか、そんな手法は弊社は採りません。

Mercedesの理念、タイヤはサスペンションで喰わす

このためにもっとできる工学的なアプローチがあるんです。

さっそくPENSKE RACINGで聞いてくることをまとめています。

なんとなくもっとタイヤを喰わせたいんですケド、なんて聞き方をして
こうやったら、って教えてくれる1流の技術者なんて世界中にいません。

知ったかぶりするヤツはいっぱいいますケド。

少なくとも弊社なりの理論的な仮説と実証実験のデータは必要です。

そう言うモノを持って行かないとそれ相応の対応はしてくれません。

開発というのはこのくらいテマがかかって時間もかかります。

そうしないとイイ物はできないと弊社は考えます。