ま~新年早々、チンケなトラブルが目白押しでハマっています。
弊社に諫言してくれるありがたい後輩がいます。
フツー、ひと回りも下の後輩にダメ出しされて、素直に耳を傾けるのは
なかなか難しいことだと思います。
弊社のためを思って言ってくれているんだ、と信じて、チンケなトラブルに
再び巻き込まれないようにするのも、弊社の大事な責務だと考えます。
でも、世の中そこまて捨てたものでもなく、チンケなヤツもいれば
弊社を支援して下さる新しい出会いも確実に増えて行っています。
そういうありがたいお客様をガッカリさせてはいけませんね。
チンケなヤツを相手にするエネルギーがあったら、弊社の大事なお客様に
もっともっと上の満足度を考えた方がずっと建設的です。
CircuitConcept ドライカーボンリアウイングの進捗状況です。
理論的なアプローチで追求し続けることが弊社の使命です。
一般的に揚力は以下の式で表されます。
L=1/2*ρ*S*V^2*Cl
L :揚力、
ρ :空気密度
S :有効翼面積
V :速度
Cl :揚力係数
ひっくり返せばダウンフォースです。
リアウイングやフロントアンダーディフューザ-を設計する上で、
速度域に応じたダウンフォースを計算することは難しくありません。
効きゃイイってモノでも無いんです。
最高速をなるべく落とさないでダウンフォースを稼ぎたいんです。
富士のコカコーラ、100R、300R。
筑波のダンロップ、80R、最終。
そのあたりで実践の検証です。
今日は
Cl :揚力係数
について語ってみます。
コレが1番タイヘンですから。
Cl :揚力係数を決定するモノ、それは翼断面形状です。
一口に翼断面形状と言っても、実に、実に奥が深いんです。
大学院時代にお世話になったイリノイ大学の研究チームが、実に興味深い
データベースを惜しみなく公開しております。
当時は、参考書だけで150ドルくらいした記憶があります。
イイ時代になったモンです。
このイリノイ大学のデータベースだけでも2400種以上の翼断面が
公開されているんです。
パリ大学 ソルボンヌ校も1200種以上を公開しています。
フランスって、航空力学はとても進んでいます。
今は無くなってしまった、あのコンコルドもフランス製です。
厳密にはイギリスとの共同開発ですが、イギリスは主にエンジン担当です。
フランスは、そのテクノロジーを生かして翼形状を担当しております。
ハナシが逸れましたが、弊社が求めている速度域に最も適した翼断面、
その候補がイリノイ大学のデータベースにいくつかあるんです。
その中から10種類近くを抽出して、今度はシミュレータです。
以前は、このNavierStokesの方程式をチマチマ解いていました
丸1日くらいかかります。
天才君だったら2時間くらいで解いちゃうでしょうね。
ちなみに、この方程式を考えたのもフランス人です。
今は、すぐれたシミュレータがとても安価で手に入ります。
こんなん使っています。
で、このあたりがイイんでないか?って翼断面形状をシミュレータにかけて
各速度域でのCl値をずっとカンタンにゲットできます。
で、やっとこさで翼断面形状を決定するまでにこぎ着けました。
世界最高峰品質って、言うのはカンタンです。
実践し続けるのは、とてもとてもヂミな作業の繰り返しです。
弊社はそう言うことだと考えております。