Z34ドライカーボンリアウイングネタ、その2

ま~新年早々、チンケなトラブルが目白押しでハマっています。

弊社に諫言してくれるありがたい後輩がいます。

フツー、ひと回りも下の後輩にダメ出しされて、素直に耳を傾けるのは
なかなか難しいことだと思います。

弊社のためを思って言ってくれているんだ、と信じて、チンケなトラブルに
再び巻き込まれないようにするのも、弊社の大事な責務だと考えます。

でも、世の中そこまて捨てたものでもなく、チンケなヤツもいれば
弊社を支援して下さる新しい出会いも確実に増えて行っています。

そういうありがたいお客様をガッカリさせてはいけませんね。

チンケなヤツを相手にするエネルギーがあったら、弊社の大事なお客様に
もっともっと上の満足度を考えた方がずっと建設的です。

CircuitConcept ドライカーボンリアウイングの進捗状況です。

理論的なアプローチで追求し続けることが弊社の使命です。

一般的に揚力は以下の式で表されます。

L=1/2*ρ*S*V^2*Cl

L :揚力、
ρ :空気密度
S :有効翼面積
V :速度
Cl :揚力係数

ひっくり返せばダウンフォースです。

リアウイングやフロントアンダーディフューザ-を設計する上で、
速度域に応じたダウンフォースを計算することは難しくありません。

効きゃイイってモノでも無いんです。

最高速をなるべく落とさないでダウンフォースを稼ぎたいんです。

富士のコカコーラ、100R、300R。

筑波のダンロップ、80R、最終。

そのあたりで実践の検証です。

今日は

Cl :揚力係数

について語ってみます。

コレが1番タイヘンですから。

Cl :揚力係数を決定するモノ、それは翼断面形状です。

一口に翼断面形状と言っても、実に、実に奥が深いんです。

大学院時代にお世話になったイリノイ大学の研究チームが、実に興味深い
データベースを惜しみなく公開しております。

当時は、参考書だけで150ドルくらいした記憶があります。

イイ時代になったモンです。

このイリノイ大学のデータベースだけでも2400種以上の翼断面が
公開されているんです。

パリ大学 ソルボンヌ校も1200種以上を公開しています。

フランスって、航空力学はとても進んでいます。

今は無くなってしまった、あのコンコルドもフランス製です。

厳密にはイギリスとの共同開発ですが、イギリスは主にエンジン担当です。

フランスは、そのテクノロジーを生かして翼形状を担当しております。

ハナシが逸れましたが、弊社が求めている速度域に最も適した翼断面、
その候補がイリノイ大学のデータベースにいくつかあるんです。

その中から10種類近くを抽出して、今度はシミュレータです。

以前は、このNavierStokesの方程式をチマチマ解いていました

NavierStokes1

NavierStokes2

丸1日くらいかかります。

天才君だったら2時間くらいで解いちゃうでしょうね。

ちなみに、この方程式を考えたのもフランス人です。

今は、すぐれたシミュレータがとても安価で手に入ります。

こんなん使っています。

simulator

で、このあたりがイイんでないか?って翼断面形状をシミュレータにかけて
各速度域でのCl値をずっとカンタンにゲットできます。

simulator2

で、やっとこさで翼断面形状を決定するまでにこぎ着けました。

世界最高峰品質って、言うのはカンタンです。

実践し続けるのは、とてもとてもヂミな作業の繰り返しです。

弊社はそう言うことだと考えております。