旋盤工見習いネタその2

見て下さいこの汎用旋盤。

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平成を通り越して昭和の香りが漂います。

映画、三丁目の夕日で出てくるような工作機械です。

日本中、いや世界中に加工屋さんが星の数ほどある中、コレを使っている
製作所さんってほとんどいないと思います。

ってゆーかやはり時代です。

量産にも向かないしそもそもが効率が悪いフルマニュアル

コンピュータNCの真逆に対峙する工作機械です。

切削の位置や送り量を全てネジで手動で調整します。

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こんな調整ネジが計8箇所あります。

それを一つ一つ調整していくんです。

お世話になっている製作所の社長さんも今どきの若者はこういうのを
やりたがらないしやらない、って教えてくれました。

しか~~~し。

コレがイイんですよ

実は使っていないこの工作機械を遊ばせておくのがもったいないと言うことと
金属加工の実技を基礎からやってみたという弊社のこだわりから志願をして
この機械を使わせて頂くことになりました。

師匠の指示に従って送りハンドルをゆっくり動かすと刃物が金属にゆっくりと
アタって切削が始まるんですがコレがまた興味深いです。

改めて鉄(SS400)って柔らかいってことを認識できるんです。

CNCではわからなかったことがフルマニュアルでわかります。

超硬の刃物からしたらステンレスですらザックリ切れちゃいますがココで
師匠に注意を受けました。

調子に乗ってると刃物がステンレスに喰っちゃってバカンと外れて
フッ飛んでケガをするそうです。

せっかくのご厚意で設備を使わせて頂いているのにケガをしたらご迷惑を
おかけしてしまいますからゆっくりとゆっくりと丁寧に丁寧に、です。

こんな昭和の香り漂うレトロな汎用旋盤、イロイロ学べるんですね。

まずは弊社にとって肝心な精度

CNCマシンだと全てはあらかじめプログラムされた通りにできてきます。

出来てきたモノの可否もプログラム通りです。

フルマニュアルだとほんのちょっとこうしたいとかああしたいとか
弊社ではとてもありがちな仕様変更や精度の追求ができるんです。

その都度マイクロメーターでイチイチ計測するのでテマはかかりますよ。

時代じゃないのもわかっています。

ただ1ランク上のこだわり、弊社らしいじゃないですか。