終わりのないアシの開発ネタ

リアのマルチリンクってのがクセモノで、開発を難しくする要因です。

構成するアームは片側で4本。

長さも違えば、取り付け位置、取り付け角度もそれぞれ異なります。

アームの長さが違うと言うことは、回転半径が違います

ロールをして行ったときに、それぞれの回転半径が違うのと取り付け角も
位置も違うことから、タイヤを取り付けているハブの動きは複雑です。

3Dの動きをします

メーカーはもちろんそれを狙って作っています。

1G状態から1cm縮んだとき、伸びたときの角度や位置はカンタンに
計算ができます。

それから2cm、3cm、5cmって変位が大きくなる程、タイヤの
接地面や角度が大きく変わることに、開発メーカーのエンジニア達の
心意気が伝わってきます。

良くできてんな~~~~、考えたのはMercedesですけど・・・。

車高をペッタペタにして、アシをストロークさせないで、キャンバーと
ハイグリップタイヤに頼ったサスペンション、サーキットに行ってみると
いっぱい見かけることができます。

なぜかS2000は、ペッタペタが少ないです。

S2000の乗り手の意識が高いのか? 一回どっかで懲りちゃったのか?

ホントにシツコイようで申し訳ありませんが、弊社が目指すアシは

乗りやすさとコントロール性

です。

車高をペッタペタにして、アシをストロークさせないで、キャンバーと
ハイグリップタイヤに頼ったサスペンション、ドライバーのちよっとした
ミスにキビシイです。

いろんな人の走りを改めて観察させて頂いて勉強することもあります。

N須様と一緒に観察していたCivicのTypeR君。

S字の切り返しでアクセルオフのタックインでクルっと回ってしまいます。

あのアシだと、練習にならないと思います。

ご本人は気付いていないんでしょうね。

仮にですが、弊社に意見を求められたとしたら

少なくとも車高を5cmくらい上げないと

って答えますが、そんなシチュエーションも無いでしょう。

車高を下げることが絶対ダメってワケではありませんが、下げるメリットと
下げることによって失うことをキチンと把握しておかないと、気が付くと
ガシャ~~ンってなってしまいます。

Z34,V36はちょっとブッけただけでも50万、100万かかります。

サーキットでは保険は効きません。

その出費が無かったら、アレもコレもできました。

もったいないですね。

そうならないように、1ランクも2ランクも上を目指して開発しています。

イロイロとリアをシミュレーションしてみると、あることに気付きました。

ココ、こうした方がイイんじゃないの?

を、早速、具現化してみました。

ご一緒したN須様も不思議そうに観察していました。

何ですかコレ?

メンドくさいことになりかねないので、画像はナシです。

誰でも体感できるほどの効果がありました。

もうちょっと熟成してキチンと量産化をして、キチンと頒布します。

こうやって工学的に計算してシミュレーションして、試作を作っては
現場でテスト検証を重ねて、どんどん良くなっていきます。